こんにちは。
Sky Okinawaブログ担当上原です。
8月14日の沖縄地方最低賃金審議会(島袋秀勝会長)は2023年度の県内最低賃金を答申されました。
2023年度の最低賃金は現行の853円から43円増の1時間896円となり
過去最大の引き上げ幅となりました。
日本全体で物価高騰が起きており、物価は高騰するが収入は増えない労働者の事情が考慮され
国の審議会が示した目安額「39円増」を4円上回る結果となりました。
引き上げ幅は昨年に続き過去最大となっております。
沖縄県の最低賃金896円は手続きを経て早ければ10月8日から適用される見通しだそうです。
今回の「43円増」は過去最大の上げ幅ではあるが、全国的に沖縄県は賃金水準がまだまだ低く、
追い打ちをかけるように物価が高騰している為、
労働者側は労働環境の向上を考えていかないといけないと思います。
一方で経営する側は、上げ幅が過去最大であり最低賃金の引上げが
経営に与える影響というのは少なからずあるので、
物価が高騰する中で原材料費やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁が遅れている中で
最低賃金の引上げまでの準備期間が必要になってくるが、特に準備期間の配慮がない為
国や県の支援などが必要になってくると思います。
また、沖縄県は2023年6月に消費者物価指数が106.9ポイントと
全国平均(全国平均100ポイント)よりも高い水準にありますので
最低賃金896円というのは決して高い額ではないという見解もできます。
一方で、賃金が引き上げられることにより現在の社会保険の「年収の壁」も
関わってくることになります。
年収の壁というのは配偶者の扶養に入って働いている労働者が
一定の年収(年収98万円、103万円、106万円、130万円等)を超えると
扶養から外れ自ら社会保険料を負担し手取りが減る問題や
住民税や所得税を支払うことになりますので
最低賃金が上がることにより「年収の壁」を上回らないよう
今以上に勤務時間の抑制をすることになり
労働者の働く時間が減り、人手不足になることも考えられますので
社会保険制度の見直しの必要性があります。
ちなみに「年収の壁」については7月7日のブログに投稿していますのでぜひご覧ください。
こうやってみると、労働者側と経営者側で様々な最低賃金に対する
課題や問題などがあることを感じました。
今後、県や国からも支援などがもしかしたら出ると思いますが、
現在ある業務改善助成金、キャリアアップ助成金の制度でも
少しは対策はできるかと思いますので、その助成金の制度を紹介いたします。
業務改善助成金
生産性向上の為の設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)
を行うとともに
事業場内最低賃金を一定額引き上げた場合に設備投資等に
かかった費用の一部を助成するものになります。
事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請いただき、
交付決定後に計画どおりに事業を進め、
事業の結果を報告いただくことにより、
設備投資などにかかった費用の一部が助成金として支給されます。
キャリアアップ助成金
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の
企業内でのキャリアアップを促進するため、
正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。
キャリアアップ助成金はいくつかのコースに分かれており、各コース実施日の前日までに
「キャリアアップ計画」等を作成し提出することが必要です。
業務改善助成金、キャリアアップ助成金ともに地域の労働局への申請となります。
今回、最低賃金の話をさせて頂きましたが、
最低賃金があがることにより様々な課題や問題などが浮き彫りになるとは
色々調べるまでわからなかったので私自身とても勉強になりました。
今回は補助金ではなくて国が出している助成金を活用をすることにより、
少しでも事業者側の負担を減らそうという動きもありますので
これを機に先ほどご紹介した業務改善助成金、キャリアアップ助成金を活用を
検討されてみてはいかかでしょうか。
残念ながらSky Okinawaの申請支援サービスでは対応することはできませんが
Sky Okinawaが運営している「結プラットフォーム」には
このような助成金情報なども多く掲載していますので
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